バーナム効果

バーナム効果とは

バーナム効果とは、「人は、一般的な発言が、ある未知の要因の研究の結果であると言われると、それを自分自身に当てはめる傾向がある」と定義できます。

前世紀半ば、アメリカの心理学者バートラム・R・フォアは、人間の性格特性の研究に携わるようになりました。

ある晩、ナイトクラブに行った彼は、筆跡から性格を言い当てるというグラフロジストに声をかけられました。

教授は断りましたが、これがきっかけでグラフや占星術で描かれた人物像がなぜ人に強い印象を与えるのか、その理由を探ろうと思うようになりました。

そして、彼はある実験をすることにしました。

この実験の結果、フォア効果、別名バーナム効果が定式化されました。

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バーナム効果の研究

バーナム効果は、心理学において2つの方法で研究または利用されてきました。

ひとつは、心理学実験の参加者がそれを読んで、自分のために個人的に作成されたものだと信じるようなフィードバックを作成する方法です。

参加者が知能や性格の尺度を記入するとき、実験者が採点して参加者に実際の点数を渡すことがあります。

しかし、それ以外の場合、実験者は偽りの一般的なフィードバックを参加者に与え、偽りの感覚(例えば、自分が特別に良い人間であるという印象を与えるため)を作り出します。

フィードバックが「機能」し、個々の人物のユニークな記述と見なされるのは、その情報が実は一般的で誰にでも当てはまるからです。

バーナム効果のもう一つの研究方法は、被験者に(本当の)性格のフィードバックを与えるコンピュータを使う方法です。

コンピュータによる性格評価は、あまりにも一般的で、簡単に受け入れられてしまうという批判があります。

一部の研究者は、人々が偽のフィードバックよりも実際に真実のフィードバックをより正確に見るかどうかを確認するために実験を行いました。

人々は、偽のフィードバックよりも、実際に真実の自分についての記述をより正確に見ますがその差はあまりないのです。

バーナム効果は、肯定的な発言に最も効果的です。

例えば、「私はよく、自分の気に入らないことをする人を傷つけようと考える」のような否定的な記述では、人はその記述が自分に当てはまるとは考えにくいのです。

したがって、バーナム効果のレポートには、ほとんどが肯定的な項目を含むステートメントが主に含まれています。

なお、否定的な表現は、文の最後に肯定的なもので相殺されています。

バーナム効果の実験

1948年、心理学者のバートラム・フォアは、シンプルな方法をとりました。

彼は、生徒たちに特別なテストをして、その結果、彼らの性格がわかるようにしたのです。

心理テストの代わりに、星座占いから引用した漠然とした文章を全員に配ったのです。

その後、他の心理学者が何百回となくこのテストを行いましたが、ほぼ同じ結果でした。

実験の中でフォアは、この学生は

・規律正しくて外見に自信がある
・時には内向的になることもあるし、外向的になることもある
・独立して考える
・多様性を好む
・時には不安を感じる

というような話をしました。

選択肢は変わっても、本質は変わらなかったのです。

バーナム効果の例

バーナム効果の例は、私たちの身近に見ることができます。

新聞で毎日の星占いを読んで、その占いが不思議なほど的中していることに気づいたことはないだろうか。

星占いは、多くの人に見てもらうためにわざと曖昧に書かれていることはよく知られていますが、それでも多くの人は、その記述の正確さと、それが自分の人生にどう当てはまるかに驚かされます。

バーナム効果とは、ある占いが自分だけのために書かれたものだと信じ込ませ、一般的な文章と自分の日常生活との間につながりを持たせる手助けをするものなのです。

同様に、タロットカード占い師、マジシャン、超能力者などの職業も、バーナム効果を利用していることで知られています。

ネットフリックス、スポティファイ、フェイスブックなどのデジタル企業では、認知効果を利用して、製品をより良くし、よりパーソナライズしています。

ネットフリックスやスポティファイを利用する顧客は、個人的にキュレーションされた映画リストや各ユーザーに特化した音楽プレイリストなど、デジタル製品内のパーソナライズされた機能によって、カスタマイズされた製品のように錯覚してしまうのです。

実際には、これらのテクノロジー企業は、バーナム効果を効果的に利用して、ソフトウェア利用者にパーソナライズされた製品のような錯覚を与えている。

関連心理学用語

確証バイアス

確証バイアスとは、自分のこれまでの信念や価値観を確認したり、支持したりするような方法で情報を探して解釈したり、好んだり、思い出したりする傾向のこと。