心理学用語

リスト内手がかり効果

リスト内手がかり効果とは、記憶内に保存されている情報の一部を検索手がかりとして与えられると、それ以外の情報が思い出しにくくなる現象である。

この効果は、1970年代に米国の心理学者、シャーマン・クーパーによって発見された。クーパーは、被験者に「赤、青、緑、黄色、白」という5つの色を記憶させた後、いくつかの検索手がかりを与えて、被験者に色を思い出させた。その結果、手がかりとして与えられた色を思い出すことは容易であったが、手がかりとして与えられなかった色を思い出すことは困難であることが明らかになった。

リスト内手がかり効果は、検索抑制によって引き起こされると説明されている。手がかりとして与えられた情報は、検索の過程で優先的に処理されるため、手がかりとして与えられなかった情報は、検索から排除されやすくなる。

リスト内手がかり効果は、日常生活においても様々な場面で起こりうる。例えば、買い物リストを作った後に、リストに記載されていないものを思い出そうとすると、リストに記載されているものの方が思い出しやすい。また、試験勉強の際に、問題に関連する情報を覚えていると、問題に関連しない情報を覚えにくくなる。

リスト内手がかり効果を避けるためには、手がかりとして与えられた情報以外の情報にも注意を払うようにすることが重要である。例えば、買い物リストを作った後は、リストに記載されていないものも意識的に思い出すようにする。また、試験勉強の際には、問題に関連しない情報も積極的に学習するようにする。

リスト内手がかり効果は、記憶の限界を示す興味深い現象である。この効果を理解することで、より効果的に記憶を活用できるようになるだろう。

参考URL:

部分手がかり効果 | 記憶に関する認知バイアス | 錯思コレクション100


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