基本比率の錯誤
基本比率の錯誤とは、事前に知っている確率を無視して、後から出てくる確率にだけ注目してしまう心理的傾向です。
具体的には、次の例のようなケースで発生します。
* ある病気について、90%の正確さでわかる検査を行ったところ、検査結果は陽性だった。
* ある犯罪の犯人は、男性の割合が90%とされる。
* ある大学の入学者は、偏差値70以上の学生の割合が10%とされる。
このようなケースでは、後から出てくる確率(検査結果が陽性だった、犯人は男性、入学者は偏差値70以上)に注目して、誤った判断をしてしまうことがあります。
例えば、病気の検査結果が陽性だった場合、多くの人は「90%の確率で病気にかかっている」と考えてしまいます。しかし、事前に知っている確率(病気の割合が0.1%)を考えると、実際に病気にかかっている確率は0.09%と低いことがわかり、誤った判断であることがわかります。
基本比率の錯誤は、私たちが直感的なプロセスで結論を導き出すヒューリスティックが発動することで発生します。ヒューリスティックとは、複雑な問題を迅速かつ簡単に解決するための思考のルールです。しかし、ヒューリスティックは時には正確な判断を導き出せず、基本比率の錯誤のような誤りを犯すことがあります。
基本比率の錯誤を避けるためには、事前に知っている確率を意識して判断することが重要です。また、複数の情報を考慮して判断を下すように心がけることも大切です。
以下に、基本比率の錯誤を避けるためのポイントをまとめます。
* 事前に知っている確率を意識する
* 複数の情報を考慮して判断する
* 直感的な判断に頼らない
基本比率の錯誤は、日常生活やビジネスシーンで発生する可能性があります。基本比率の錯誤を理解し、適切な判断を下せるように心がけましょう。
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