心理学用語

ナイーブ・リアリズム

ナイーブ・リアリズムとは、自分が他の人とは違い、世界をごく客観的に、偏見なしに見ていると考えている状態のことです。

ナイーブ・リアリストは、自分の視点が世界を認識する唯一の正しい視点であり、他の人々の視点は、歪んだものであると考えます。このため、自分の意見や信念が正しいと強く信じており、他の人の意見や信念を受け入れることができません。

ナイーブ・リアリズムは、主に2つの原因によって引き起こされます。1つは、認知バイアスです。認知バイアスとは、私たちが持つ無意識的な偏りのことで、私たちの判断や行動に影響を与えます。例えば、私たちは、自分の意見や信念と一致する情報を好んで受け入れ、そうでない情報を無視する傾向があります。このため、自分の視点が正しいと信じるようになりやすくなります。

もう1つの原因は、エゴ中心性です。エゴ中心性とは、自分の考えや気持ちが他人よりも重要であると考える傾向のことです。ナイーブ・リアリストは、自分の考えや気持ちが正しいと信じており、他の人の考えや気持ちは重要ではないと考えます。このため、自分の意見や信念を押し付けるような言動をとることがあります。

ナイーブ・リアリズムは、人間関係や社会生活において、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。例えば、ナイーブ・リアリストは、自分の意見や信念に固執するため、他人と意見が対立すると、衝突や対立を引き起こしやすくなります。また、ナイーブ・リアリストは、自分の意見や信念が正しいと信じているため、他人の意見や信念を受け入れることができず、理解や共感が不足することもあります。

ナイーブ・リアリズムを克服するためには、まず、自分の認知バイアスを認識することが重要です。自分の意見や信念が正しいと思い込みやすいことを意識し、他の人の意見や信念にも耳を傾けるようにしましょう。また、エゴ中心性を克服することも大切です。自分の意見や信念が正しいかもしれないけれど、他の人の意見や信念も尊重する心を持つことが重要です。

ナイーブ・リアリズムは、誰にでも起こり得るものです。自分自身や周りの人を理解するためにも、ナイーブ・リアリズムについて知っておくことが大切です。

参考URL:

ナイーブ・リアリズム | 他者・自己に関する認知バイアス | 錯思コレクション100


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