心理学用語

自我消耗仮説

自我消耗仮説とは、セルフコントロールや意志力は、使うとなくなる精神的なリソースの限られたプールを利用しているという考えです。精神的活動のためのエネルギーが低下したとき、セルフコントロールははっきりと弱っており、自我消耗の状態にあるとされます。

この仮説は、アメリカの心理学者であるロイ・バウマイスターによって提唱されました。バウマイスターは、自我消耗は、自分の欲求や衝動を抑制したり、目標を達成するために努力したりするなど、セルフコントロールを必要とする状況で発生すると考えています。

自我消耗仮説は、多くの研究によって支持されています。例えば、ある研究では、参加者に意志力を必要とする課題を実行させた後、別の課題を実行させたところ、意志力を必要とする課題を実行した後に実行した課題のパフォーマンスが低下することが示されました。また、別の研究では、参加者に欲求を抑制させた後、別の課題を実行させたところ、欲求を抑制させた後に実行した課題のパフォーマンスが低下することが示されました。

自我消耗仮説は、私たちの行動や意思決定に大きな影響を与える可能性がある仮説です。例えば、自我消耗の状態にある人は、誘惑に負けやすくなったり、衝動的な行動を取ったりする可能性があります。また、目標を達成するために努力する意欲が低下したり、ストレスや不安を感じやすくなったりします。

自我消耗を防ぐためには、セルフコントロールを必要とする状況を避けたり、セルフコントロールの必要性を最小限に抑えたりすることが大切です。また、セルフコントロールを必要とする状況に直面したときは、休息をとったり、リラックスしたりして、精神的なリソースを回復することも重要です。

自我消耗仮説は、私たちの生活をより良く理解するために役立つ仮説と言えるでしょう。

参考URL:

自我消耗 - Wikipedia


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