確証バイアス

確証バイアスとは


確証バイアスとは、私たちがすでに持っている信念や仮説を裏付けるものを探し求める傾向のことです。

私たちの多くは、自分が間違っていることを嫌います。

特に、それが自分のセルフイメージや世界観を脅かすものである場合はなおさらです。

だから、私たちは、物事のあり方について私たちの物語を確認する人々、物語、ニュースを探し求めるのです。

それは政治であったり、文化であったり、風土であったりします。

あなたはどれくらいの頻度で、意見の違う相手を探しますか?

自分が間違っていることを認めることはよくあることですか?

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確証バイアスが発生しやすいところ


確証バイアスは、事実を考慮しないことで現れることが多いですが、偏った解釈で成り立っていることもあります。

例えば、従業員をサポートしているマネージャーは、従業員のミスを偶然の過ちと解釈するかもしれませんが、サポートしていないマネージャーは、同じミスを無能の証拠と解釈するかもしれません。

確証バイアスは、政治の世界など、明確な成果基準がないところで特に発生しやすくなります。

ある改革の結果がプラスであれば、その方針が正しかったという証拠と見なされます。

一方、マイナスの結果、つまり改革が実施できなかった場合は、将来克服される一時的な障害と見なされたり、政治家が約束を果たすのを阻む敵の策略の結果と見なされたりいすることもあるのです。

もう一つの例は、民間療法です。

民間療法をする人は人を騙そうとするわけでもなく、ある治療法の有効性を心から信じているのかもしれません。

しかし、たとえ客観的に観察しようとしても、治療の有効性に関する理論への傾倒が観察結果の解釈に影響します。

治療者は、治療が成功したケースだぇを記憶し、効果がなかったケースにはあまり注意を払わないのです。

この自己欺瞞を防止するため、現代医学では、医師も患者も自分が対照群か実験群かを知らない二重のブラインド実験など、データ選択における意図しないバイアスを克服する信頼性の高い方法が開発されています。

確証バイアスの実験


確証バイアスに関する最も有名な研究の一つが、スタンフォード大学で行われていたものです。研究者たちは、死刑制度について異なる意見を持つ2つの学生グループを調査しました。

半数の学生は死刑を支持し、残りの半数は反対していました。学生に2つの研究レポートが提示され、1つは死刑の議論を支持し、もう1つはそれを疑問視するものでした。

どちらの研究も偽物(フェイク)で、各グループの対立する信念に等しく説得力のある統計データを提供していました。

死刑を支持する学生のグループは、自分たちの信念を擁護する研究を非常に高い信頼度で評価し、自分たちの論文を支持しないもう一つの研究を 「決定的ではない」と言って無視しました。一方、調査した第2グループも同様です。

実験終了後、再び生徒の皆さんに感想を伺いました。

死刑を支持する信念を持って研究を始めた人たちは、この実験を終えると、死刑を支持する信念をさらに強く持つようになります。

実験後、もう一方のグループの意見もさらに強くなったように見えましたが、それは逆の方向つまり死刑制度に反対するものでした。

確証バイアスの原因


なぜ、このような偏りがあるのでしょうか。

もちろん、人は自分が間違っていることを望まないし、間違っていることを示すものは受け入れにくいというのは事実です。

また、自己イメージに関連する感情的な信念は、より選択的に保護されます。

例えば、人種が違うから自分が優れているという思い込みを手放すのは難しいのです。

それは、他人が自分よりも優れていることを認めるだけでなく、自分が劣っていることも認めるということだからです。

しかし、確証バイアスが生じる理由は、なにも否定的なものばかりではありません。

私たちの信念を支持するデータは、理解しやすく検証しやすいため単に適合しない後の矛盾する情報は覆すことができるのかもしれません。

このような偏りや歪み、危険性があるからこそ科学ではアイデアや実験を独自に検証しテストしているのです。

科学の特徴は、個人のバイアスに関係なく主張が支持されなければならないことですが、疑似科学の特徴は、真の信者だけが自分の主張を支持する証拠を発見することです。

関連心理学用語

ステレオタイプ

ステレオタイプとは人種、国籍、性的指向などの理由で、ある集団に課される特性のこと。

ハロー効果

ハロー効果とは、1920年にソンダイクによって発見され、1946年に科学的に証明された認知バイアスのこと。

バーナム効果

バーナム効果とは、人は一般的な発言が、ある未知の要因の研究の結果であると言われると、それを自分自身に当てはめる傾向があること。

正常性バイアス

正常性バイアスとは、他者から提起されたり観察されたりした脅威や警告の可能性を信じず、心配せず、無視する認知バイアスのこと。

認知的不協和

認知的不協和とは、自分が納得していること、信じていること、深く感じていることが、他人の意見や批判、あるいは現実の事実によって否定されたときに感じる不快感のこと。